吉田健一展・・文學の樂み・・との出会い
5月13日に近代美術館に行きました。雨の中、8人が集まり、閑散とした館内は、大変快適でした。
吉田健一は、あの吉田茂元首相の長男。幼い頃からのイギリス暮らしで英語の語彙力が日本語より勝っていた人。
それでも日本文壇での作家を目指した人でした。昭和の戦前にどうして?という疑問からの出会いでした。
英文学者や外交官としての未来よりも、文学の「樂み」を見つけられたのでしょうか。
彼は、ケンブリッジ大を1年未満で中退し、帰国します。しかし戻った日本文学の世界は、私小説全盛時代。
まるで異質でした。横光利一が青年時代の吉田健一を評した文が展示されています。
・・この人は銀座の資生堂パーラーがどこよりも好きであった。どうして君はそこが好きなのだと
問うと非常に良い東洋的なものがあるとの答え。我々が銀座で一番ヨーロッパ的だと信じていたところが
東洋的に見え、奈良、京都等は東洋的ではなく、むしろ欧州の古都に通じる生活時間が感じられると・・
流ちょうな英語力を駆使した翻訳、随筆、文学等が個性豊かで新鮮でした。親の七光りと揶揄された
こともあったそうですが、酒、たばこ、旅行、人間を愛し続け、書き続けました。プルーストの
「失われたときを求めて」やイエーツの「美しきグレー」を連想させる、ゆったりとした句読点のない
息の長ーい文章が面白いのです。人間愛がほろ苦く伝わってくるからです。チャタレイ裁判では
「自らの意志で未来を拓こうとする女性を描いたのみで性描写それ自体も文学・・」と果敢に弁護した
写真も載っていました。ぶれない精神の強さもありました。川上徹太郎、中村光夫、横光利一、
ドナルド・キーン等との交流が深く長かったことも分かりました。「聲」「批評」「英国の文学」「金沢」
「時間」等の装丁の美しい本も多く展示されています。公園の薔薇も満開でした。帰りは皆で桜木町まで
行き、豪華に黙食ランチ、(小さな嘘)楽しい雨の1日でした。
吉田健一ミニクイズ
1吉田健一の愛犬として1番多く写真に写った犬の名前は? Aもる Bまる Cふる
2義父とともに愛読した歴史小説の名は? A南国太平記 B太閤記 C太平記
3愛用の葉巻に印字してあった名前は? A KEN YOSHIDA B SHIGERU YOSHIDA
4愛用したタイプライターの製造社は? A ジョン・スミス社 B ルカス・スミス社 C スミス・コロナ社
5外出時に愛用した中折れ帽子の製造社は? A SOFUTMAN社 B HARDMAN社
では、5月26日の読書会「毛澤西」で、またお会い致しましょう。午後は幹事会ですね。お元気で!
🤷♂️🤷♀️🤷♀️🤷♂️読書会広報部より🤷♂️🤷♀️🤷♀️🤷♂️
ミニクイズ解答
1愛犬の名前はAもる 2愛読書として展示されていたのはB太閤記 3葉巻にはB SHIGERU 4タイプはCスミス・コロナ 5帽子はB HARDMAN 曲がり具合が綺麗!