囲碁にまつわる言葉(か)
2023/6/29
「女流棋士」
女性のプロ棋士のことを、特に女流棋士と呼ぶ。一方、男流棋士という言葉は無い。
プロ棋士になるためには、毎年5名の棋士採用枠(一般採用枠と言う)に合格する必要がある。これには、男女関係なく、同等のハードルを越える必要がある。
2018年から、女流棋士の採用枠を緩和するために、「女流特別採用推進棋士」の制度が制定された。これは、女性による総当たり戦を勝ち抜いた1名がプロ棋士になれる(入段という)制度である。緩和とは言え、非常に狭い門には変わりはない。これとは別に、原則として小学生を対象とした「英才特別採用推薦棋士」の制度がある。院生師範が推薦する将来性豊かな才能の持ち主と期待された者がなれる。この制度で棋士になった仲邑菫さんが、先頃「女流棋聖」最年少記録(13歳11か月)をうち立てた。
女流棋士は、棋士として参加できるタイトル戦その他の棋戦に、男女関係なく参加できる。しかし、そこでの戦績には男女差がある。ほとんどのタイトルは男性棋士が獲得している。女性の入り込む隙は見当たらない。その理由は分からない。
そのせいもあってか、女性だけしか参加できないタイトル戦やその他の棋戦がたくさん用意されている。女流本因坊、女流名人、女流棋聖、女流立葵杯、扇興杯、デイケイ杯等である。賞金額は女流の名がつかないタイトルに比べると、桁違いに少ない。