囲碁にまつわる言葉(な) - 横浜市退職小学校長会

囲碁にまつわる言葉(な)

2023/9/7
囲碁同好会事業部のアイキャッチ画像

「『へんげのもの』との対局」

 

今昔物語集によれば、延喜期の頃、仁和寺の僧寛蓮は、囲碁では当時向かうところ敵無しの第一人者であった。

 寛蓮は、度々醍醐天皇に召されて碁の相手をしていたという。手合いは、醍醐天皇が2目置くようであったらしい。金の枕を賭けて対局したと記されている。勝った寛蓮は、その金で、仁和寺に僧坊を建てたという。

 

ある日、御所に召された帰り道、一人の女の童に呼び止められた。さる屋敷へ案内された寛蓮は、屋敷にいた奥ゆかしくかわいい声の若い女性に、碁の対局を望まれた。

女性は、直に対面して打つのは畏れ多いとして、姿を見せずに、仏具の一つである巻数木で、打つ箇所を示した。一手目は、天元(碁盤の中央)であった。打ち進むうち、寛蓮の石は、ほとんど死んでしまった。

女性は、笑みを含んだ声で、

「もう一局いかがですか。」

と、誘ってきた。これはただものではないと恐れた寛蓮は、仁和寺へ逃げ帰った。

この話は人々に広まり、寛蓮の石を皆殺しにするとは、人間ではない。「へんげのもの」が現れたのだろうと噂したということである。

 

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