「能」
能の演目の一つに、「碁」がある。作者は左阿弥である。
源氏物語の、空蝉の巻を下地にした作品である。登場人物は、霊となった空蝉と軒端の荻、東国の僧等である。
あらすじ
常陸の国から都へ上った僧が、三条京極に着き、父の好んだ源氏物語の話を思い出して感慨にふけっていた。すると、尼が現れ宿を貸そうと言う。そして、今宵の慰みに碁を打とうと言う。
僧が木の下で臥していると、艶やかな姿の空蝉と軒端の荻が現れる。源氏への昔の思いも恨みも残っているが、懺悔に碁を打って見せましょうと言う。空蝉が負けるが、僧の回向と碁を打った功徳で成仏した喜びを述べ消え失せる。
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