囲碁にまつわる言葉(ナ)
2025/6/1

徒然草
第百十一段
「囲碁、双六好みて明かし暮らす人は、四重五逆にも勝れる悪事とぞ思ふ」と、ある聖の申ししこと、耳にとどまりて、いみじく覚え侍り。
四重とは 邪淫戒、盗戒、殺人戒、大妄語戒
五逆とは 父を殺す、母を殺す、聖者を殺す、仏身を傷つける、僧の集団を破 壊する
囲碁を好む人は、この上も無い悪者扱いをされている。琴棋書画と並び尊ばれていた囲碁をどうしてこのように見做すのだろうか。
思うに、囲碁を賭け事として愉しむ人々を念頭に置いたものではないか。時代が下って、江戸時代には賭け碁打ちはヤクザ者とされていたのであるから。