囲碁にまつわる言葉(ネ)
2025/5/21

「狂詩と狂歌」その2
囲碁にまつわる言葉(ヨ)で、西の銅脈を紹介したので、蜀山人(大田南畝)も紹介しなければ釣り合いがとれない。NHK大河ドラマで蔦屋重三郎を取り上げている今がタイムリーであろう。
出来れば、囲碁を詠んだものがあればいいが。
ありました、ありました。
一めんの花ハ碁盤の上野山黒門前ニかかる志ら雲
上野の山を碁盤に見立てたおおらかさ、しかも、黒門、白雲と碁石を読み込んでいます。
同時代に、蜀山人に対抗意識を燃やした、唐衣橘州の歌があります。
はなざかり飛鳥とせん手ごてん山中に忍ぶが岡目八目
同じく、同時代の加保茶元成の歌
きみとわが心はいづれ互先(たがいせん)はねかへされて手もなかりけり
いずれも、囲碁を巧みに詠み込んでいます。この時代の教養人にとって、囲碁は必要不可欠な素養だったのでしょう。
大田南畝