囲碁にまつわる言葉(ル)
2025/1/17
「烏路寺異聞」
囲碁にまつわる言葉(つ)枕草子その2で、「清少納言」と「紫式部」を戦わせて鑑賞したいと書きました。宮仕えの時期がずれているので、実際には叶わないことでありますが、二人の対局を夢見ない人はいないのではないでしょうか。
この夢の対局が実現したのです。
烏路寺異聞 式部 少納言碁盤勝負 篠田達明作
という小説の中で。しかも、5回も対局を見せてくれるのです。寺の名称の烏鷺は、黒い烏と白い鷺で、古くから囲碁の別称として使われてきたものです。つまり、囲碁寺を意味します。この寺を対局場として、清少納言と紫式部が、5番勝負を戦うのです。
当時の朝廷の権力争い、その争いに巻き込まれる形で対局せざるを得ない清少納言と紫式部。対局場の設営や運営を任され、命がけで任務に当たる者、対局に細工を仕掛け、甘い汁を吸おうと企む者。様々な登場人物が絡み合って物語が展開していきます。