囲碁にまつわる言葉(h)
2022/7/27
「棋風(きふう)」
殺し屋、錆刀、かみそり・・なにやら物騒な言葉が並びました。これは、囲碁棋士につけられたニックネームです。戦国武将もニックネームで呼ばれました。甲斐の虎、越後の竜、独眼竜、相模の獅子、美濃のマムシ。
囲碁は、戦略をもって戦うゲームですから、それぞれの棋士の戦い方に、戦国武将と同じように個性が表れます。その個性のことを「棋風」と言います。その棋風に名前が付けられました。
石田芳夫さんは、地所の緻密な計算が得意で、「コンピュータ」と言われました。武宮正樹さんは、碁盤の中央を囲う壮大な棋風で、「宇宙流」と言われました。大竹英雄さんは手厚く味の良い手を好み、「大竹美学」と称せられました。
なんと言ってもいちばんたくさんのニックネームがつけられたのは、坂田栄男さんでしょう。「カミソリ坂田」「シノギの坂田」「なまくら坂田」「攻めの坂田」等、これほど多いと言うことは、変幻自在の戦略で戦ったのでしょう。名人、本因坊等タイトル獲得数64を数える大棋士ですから。
坂田栄男さん