囲碁にまつわる言葉(H)
2021/11/9
「名人(めいじん)」
安土・桃山時代、日蓮宗の僧侶日海(にっかい)は囲碁の名手として聞こえていました。上洛した信長は日海を引見し、その碁を見て、「名人」と称えたと言われています。これが「名人」の始まりという説があります。その後、秀吉に仕えた日海は「碁所(ごどころ)」という官職を与えられます。征夷大将軍になった家康は、囲碁の家元制度を作り、その上に碁所を置き、日海に「名人碁所(めいじんごどころ)」として、その任に当たらせました。
日海は、京都寂光院の塔頭の一つ本因坊(ほんいんぼう)を住まいとしていたため、後に「本因坊算砂」と呼ばれます。
名人も、本因坊も現在の囲碁のタイトルの名称として残っています。
名人はその後、卓越した技量を持つ他の分野の人にも賞賛の意味を込めて使われるようになりました。剣玉の名人、手品の名人、落語の名人何にでも使われていますね。
参考資料:「学校囲碁指導員ガイドブック」日本棋院
本因坊算砂の肖像画