囲碁にまつわる言葉(l)
2022/9/11
「大場(おおば)」
囲碁では、一手で、領地を大きく囲むことができる価値のあるところを大場と言います。はじめは、領地を囲いやすい四隅が大場になります。その次は、四隅に打った手と呼応して隅を囲う「しまり」と呼ばれる手が大場になります。続いて、四隅から左右に広がる「開き」と呼ばれるところが大場になります。対局者は、互いに相手より先に大場に着手しようと策を練ります。なんだ、簡単なことだと思うかもしれませんが、そうではありません。互いの意図を邪魔したり、防いだり、様々な駆け引きが入り込むと、だんだん訳が分からなくなってきます。
しまり ひらきの例
話は変わって、同じ場という文字を使った「急場」いう言葉があります。差し迫っていてすぐにでも対処しなければならない場面、状況を指す言葉です。日常生活の様々な場面で使われる、人口に膾炙した言葉です。そのような急場が、囲碁の対局中にも現れます。石の生き死にに関わる大事な局面が現れることがあります。石を殺されてしまえば、相手の大きな領地になります。直ちに対策を立てて対処しなければ対局に負けてしまいます。そこで、同じ「場」を絡めて「大場より急場」という囲碁の格言が生まれました。
相手に打たれると死活問題が生じる急場の例