囲碁にまつわる言葉(n)
2022/10/1
「対局時計(たいきょくどけい)」
囲碁の対局をする際、公平を期すため、互いの持ち時間を同じにする。そのために使うのが対局時計である。対局を始める前に、持ち時間をセットする。たとえば、双方とも45分にセットする。それから、時計を置く位置を、白が指定する。普通は、利き腕の方に指定する。
対局開始の挨拶のあと、初めに白が対局時計のボタンを押す。すると、黒の時間が動き出す。黒が第1着を盤上に打つ。すぐに、石を置いた手で、時計のボタンを押す。すると、黒の時間が止まって、白の時間が動き出す。石を置いた手と反対の手を使って押すのは反則である。すぐに、負けを宣告される。時計を置く位置を利き腕の方に指定するのは、このためである。2着目を白が打って、ボタンを押すまで、白の時間は動き続ける。ボタンを押し忘れると、白の時間は黒の考える時間として使われてしまう。途中、相手の石を隙間無く囲んで殺した場合は、全て取り除いてからボタンを押す。取り除く前に押すのは反則である。
勝負に真剣になると、押し忘れが多くなる。だから、対局時計を使うのを嫌がる人がいる。そこで、内輪の対局では時計を使わないで打つことが多い。
対局時計は、アナログ式と、デジタル式がある。アナログ式は、赤い小さな針が振り切れれば持ち時間終了で負けである。デジタル式は時間が0になれば、時間切れ負けである。アマチュアの対戦では、時間切れで勝負が決まることはほとんどない。大抵、時間内で勝敗が決まる。
プロのタイトル戦では、時間を告げる時計係が付く。時間を正確に知らせてくれるので、勝負に専念できる。