囲碁にまつわる言葉(t)
2022/12/3
「見物初段(けんぶつしょだん)」
落語の「碁泥」【(囲碁にまつわる言葉(u))参照】にもあるように、他人の対局を見物すると、つい口を挟みたくなる。口出しは、見物のマナー違反だから、これをやる人はまずいない。でも、態度に現れる。
うなずく、首を傾げる、驚いた顔をする、手で石を置くジェスチャーをする。これらは、まだいいほうだ。興奮してくると、声も出てくる。
「なるほど」「へえそうか?」「あっ、それは!」「やっぱりなあ」「うん、そうだろう」
これはまだ序の口。
「手厚く打っているな」「筋がいいね」「勝負どころか」「さあ、どうしのぐか」
こういう言葉がでてくると、
周りで見ていると人には、相当な打ち手のように見える。そこで、「一手お教え願えませんか」と対局を申し込む。ところが、打ってみるとさして強くはない。見物しているときの様は、さも有段者のように見えたのに。これを指して「見物初段」という。