囲碁にまつわる言葉(z)
2023/2/10
「源氏物語」
源氏物語には、登場人物に囲碁を打たせている場面が、幾つも描かれている。「空蝉」の巻では、空蝉と軒端荻の対局、「手習」の巻では浮舟と少将尼の対局、「竹河」の巻では藤侍従の姉妹の対局が描かれている。
そこでは、登場人物に、「じ」「こう」「せき」などのゲームの用語を、ごく自然に使わせている。読者である貴族階級の人たちには、この場面の様子が無理なく思い描かれたのだろう。囲碁がそれだけ広く普及していたと考えられる。また、作者紫式部の囲碁の素養も相当のものだったのだろう。
源氏物語絵巻「竹河」(姉妹の賭け碁) (r「賭け碁」参照)