囲碁にまつわる言葉(a)

「段級位(だんきゅうい)」
実力を示す物差しとして、段級位がある。柔道、剣道、書道、その他、日本の伝統文化の世界で使われることが多い。囲碁でも使われる。厳しい課題をクリアして、初段になることを入段すると言う。入段して初めてプロ棋士として認められる。プロになれば、初段であれ九段であれ、置き碁ではなく互い先(どちらが黒白を持つか決まっていない)で戦う。それほど実力が拮抗しているのが、プロの世界である。その後、勝ち数、獲得賞金、獲得タイトルによって、昇段していく。最高位が九段である。ちなみに、プロの初段に9目置いて勝てれば、アマチュア初段と言われている。それほど、プロとアマの実力差は大きい。
一方アマチュアでは、一段級違えば、1目のハンデが生じる。五段と二段の対戦は、3目の置き碁となる。二段と5級では、6目の置き碁となる。それでは、アマチュアの段級位は誰がどのようにして決めるのか。日本棋院や関西棋院は、アマチュアの段級位の認定書を発行している。そのための棋力判定のシステムも用意している。参加には勿論参加費がかかる。また、認定書の発行にも料金が発生する。そこで、大部分の囲碁愛好者は、そんなシステムを利用していない。通っている碁会所で、あなたはこのくらいですと、判定してくれる。お客様に気分良く通ってもらいたいから、判定がどうしても甘くなりがちである。サークル内で決めるときには、内輪での実力者があなたはこれくらいでしょうと決めてくれる。人数の多いサークルでは持ち点制度を作って判断しているところもある。中国・韓国も段級位を採用している。日本の五段が、中国・韓国の初段程度らしい。
わたしの例をあげるとしよう。わたしは横浜のサークルでは六段、横須賀の二つのサークルでは三段と六段、アメリカのネット碁では3級で打っている。それほど、アマチュアの段級位はいい加減なものである。特に日本では相当のインフレである。