囲碁にまつわる言葉(x)
2023/1/20
「ヒカルの碁」
平成10年12月、漫画「ヒカルの碁」が少年ジャンプに連載された。平成13年10月にはテレビ東京でアニメ放送が開始された。そして、こどもたちの間で囲碁ブームが巻き起こった。
平成8年に発足していた神奈川県中学校囲碁連盟が運営する小中囲碁大会への参加者が急増した。1会場では収容しきれず、相模原会場、横浜会場と2回開催という盛況ぶりだった。
200人を超える参加者を想定した会場、囲碁用具、運営スタッフ等、困難を乗り越えて実施されてきた。
ブームを受け、小学児童対象の囲碁大会の運営のための組織の必要性が生まれてきた。そこで、既に発足している中学校囲碁連盟に参加して、小学生の大会の運営に携わっていた小学校教師を中心に、神奈川県小学校囲碁連盟が発足した。平成13年のことである。毎年横浜駅西口の碁会所「宇宙棋院」・「有心」や藤棚の県教育会館を会場として、小学生対象の大会や全国大会予選会が開かれた。
現役・退職校長を会員とする、横浜市小学校校長会囲碁同好会の会長が、連盟の会長として招かれた。連盟会長を経験した校長が、現在の囲碁研修部に何人も所属している。
この会が運営する小学校囲碁大会で活躍した何人かが、今もプロで活躍している。名人位最年少記録を達成した芝野虎丸九段、金沢真七段等である。また、アマチュア棋界で活躍している人もいる。
残念ながら、小学校囲碁連盟は諸般の事情で、休止・消滅の運命を辿る。「ヒカルの碁」のブームが生んだあだ花だったのだろうか。今は、小学校囲碁連盟の活動は、中学校囲碁連盟が引き継いでいる。