囲碁にまつわる言葉(e)
2022/6/26
「当たり」
「当たり」と聞いて、何を思い浮かべるだろうか。宝くじ、魚釣り、人柄、相撲、野球といろんなところで、様々な意味で使われている言葉である。
囲碁でも「当たり」を使う。囲碁では、相手の石を隙間無く自分の石で囲めば、盤上から取り除くことができる。あと1手で相手の石を囲むことができる状態の事を「当たり」という。あと1手で1箇取れる場合でも、当たりである。あと1手で50箇取れる場合でも、当たりである。当たりであっても必ず取れるとは限らない。最後の1手の所へ打って、逃げることが出来る場合がある。
取った石の跡は自分の地所となる。また、取った石は終局したら相手の地所に埋めることができる。つまり、相手の地所を減らせるのである。囲んで取った跡が自分の地所となり、同じ数の石を相手の地所に埋めると2倍の差が付くことになる。だから、相手の石を取る作戦は、効率よく地所を獲得することになる。そこで、対戦中は当たりの場面が多く現れる。
相手の石を1箇囲むには、普通4箇の石が必要である。ところが、碁盤のいちばん外側(辺という)では、3箇の石で囲むことができる。碁盤の4つの隅(すみ)では、2箇の石で囲むことができる。碁盤の真ん中よりも辺が、辺よりも隅のほうが、相手の石を効率よく囲めるのである。そこで、入門期には、隅のほうから石を配置しなさい、隅が終わったら辺のほうへ石を配置しなさいと教わる。