囲碁研修部廃部の危機
7月20日(第3木曜日)、東小学校コミュニティハウス研修室に集ったのは、部長以下6名。その中には、長老Iさんもいらっしゃいました。
部長と一局打ち終わったIさんは、いつものように、局後の感想戦を始められました。部いちばんの実力者の部長も驚くような深い読みと、鋭い打ち回しには一同感心させられます。
感想戦が終わってから、Iさんから質問が出されました。
「現役の校長先生方へ、部へのお誘いをしていますか。」というものです。新しい部員が入っていない様子を心配してのことです。
今の部員が現役の頃は、「小学校長会囲碁同好会」がありました。部員10数名でした。会長は「神奈川県小学校囲碁連盟」の会長に招かれ、県下小学生の囲碁普及活動にも協力をしていました。
毎月綱島の「浜京」を会場にして研修会を開いていました。日本棋院の岡信光六段を講師にお迎えして、指導を受けていました。この場には、退職小学校長会の囲碁研修部員もOBとして参加していました。
7大都市(東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、北九州)小学校長会囲碁研修会を、回り持ちで開催していました。各都市10名の団体リーグ戦で勝敗を争っていました。この会には、OBにも個人戦での参加枠がありました。
というわけで、退職小学校長会囲碁研修部は、いちいち勧誘しなくても現役を退いたら入部するものという位置づけだったのです。
7大都市の研修会はもうありません。各都市が代表を派遣できなくなったのです。囲碁をする校長が全国的に激減してきたからです。
横浜市でも同じです。「小学校長会囲碁同好会」はありません。現役が一人もいなくなったからです。一部のOBが細々と会を運営しているやに聞こえてはきますが。
以前の日本の職場には、先輩から後輩に遊びを教えるという文化がありました。野球、バドミントン、サッカー、麻雀、そして囲碁。みんな職場の先輩や同僚、その他の仲間から教わり、楽しんだのです。そんな文化が、日本中の職場から無くなりました。特に、学校という職場では、放課後そこを利用してレクリエーションを行うことが憚れるようになりました。また、放課後まで束縛されたくないという気質の変化も生まれてきていました。放課後、校長室でちょっと一局などとは考えられないことになっているのです。
そういうわけですから、Iさんの心配は、どうにもしようのない状態なのです。新しい部員は入る見込みはありません。供給源が壊滅状態ですから。早晩、「退職小学校長会囲碁研修部」は廃部となるでしょう。