歩こう!!神奈川 【横浜山手散歩】(見学会ブログNO 6 )

『 横浜 山手の散歩道 連載 6 』
【港の見える丘付近は英米の海軍病院だった】・・市民に親しまれている港の見える丘公園ですが、丘上の公園一帯から外人墓地にかけて、1862(文久2)年の生麦事件を契機にイギリス軍が居留地防衛のため駐屯しました。1875(明治8)年に軍が全面撤退した後、その跡地にイギリス海軍病院(写真上)、イギリス領事館邸が置かれました。また、公園拡張部 ※➀ からアメリカ海軍病院の建設基礎が発見されました。生涯学習文化財課の埋蔵文化財調査報告によると、令和2~3年度に実施した発掘では、約500㎡の海軍病院の遺構が発見されました。遺構は、建物煉瓦基(写真➁)、鉄菅(写真➂)、タイル壁(写真④)、ガラス瓶(写真➄)、病院ロゴ磁器片(写真⑥)、膿盆・尿瓶(写真⑦)などで、当時の煉瓦建築技法や技術を理解する上で貴重なものです。白一色のタイル壁や〈U.S NAVEL HOSPITAL〉の印が施された磁器片など、アメリカ海軍の特徴を示す遺構・遺物です。アメリカ海軍病院は、米国東洋艦隊のための医療施設として1872(明治5)年、山手町99番付近 ※➁ に建設されました。今回発見された遺構は、1909(明治42)年に建て替えられた2代目のものです。その後、1923(大正12)年の関東大震災によってイギリス海軍病院とアメリカ海軍病院は倒壊してしまいました。
※➀ 拡張部とは、丘公園の正面入口交差点・交番から、外人墓地にかけて山手町99番付近に当たります。現在、「ブラフ99ガーデン」として小さな洋式公園となっています。
※➁ 山手町99番(ブラフ99)は、横浜地方気象台裏手となります。
※ご案内:ブラフ99付近へは、元町中華街駅下車《元町出口6番》から、アメリカ公園経由、徒歩5分程
※次回、ブログは8月10日頃、更新します。