歩こう!!神奈川 【横浜歴史散歩】(見学会ブログNO14)

連載 『 港~横浜 歴史をたどる散歩道 連載14 』
【150年あまりの歴史を刻む横浜海岸教会〈前々号からの続き・最終〉】
写真(上)は教会庭にある【創立記念の碑】です。1872(明治5)年、日本人信徒による最初のプロテスタント教会『日本基督公会』が設立されたことを物語る証しです。キリスト教禁教令が解ける一年前の時期に信徒となった日本人の信仰の深さは、バラ宣教師だけでなく立ち会った他の宣教師たちも深い感動を覚えたそうです。有名なヘボン博士も次のように記しました。「改革派教会の人々は新しい教会を建てました。日本における最も立派な教会堂です。建築費は約1万ドル。(中略)福音は全国に急速に進展しております。ロシア正教会とローマン・カトリック教会はまたとても積極的であり、またなかなか盛んです。日本政府が国民に完全な宗教上の自由を与えることを、躊躇するのはカトリックを恐れているからだと思います。(中略)主は私どもがなし得ないことを見給うて、主御自身の計画を実現し給うのであります。私どもは、ややもすれば宗派的に働こうとする偏った狭い考え方のために、かえって真理を誤ってしまうようなことがありはしないかと時々考えます。今は古い教派心を離れて、一致と自由の時代であるようです。」(ヘボン書簡集より抜粋)「創立記念碑」には、日本基督公会発祥の地、明治五年三月十日と記され、分厚い聖書をかたどった漢文聖書のことばが刻まれています。現代風には「ついに我々の上に、霊が高い天から注がれる。荒れ野は園となり園は森と見なされる。」(新共同訳聖書イザヤ書32章15節から) 写真(下の2枚)は【会堂内部の様相】です。内部に入り、まず目に入るのが、一段高くなった正面の《説教壇》です。説教壇は毎週日曜日(教会では主日、あるいは聖日と呼びます~主イエス・キリストのよみがえりを記念する日)壇上に司式者と説教者が立ち、讃美と聖書講解(説教)を司る場所です。内部に入るとよく分かりますが、壇上の椅子やキャンドルやクロスにも細かな意匠があります(壇上の壁面にはぶどうの細かな彫刻もあります。これはヨハネの福音書15章5節「わたしはぶどうの木、あなたがたは枝です。人がわたしにとどまり、わたしもその人にとどまっているなら、その人は多くの実を結びます。わたしを離れては、あなたがたは何もすることができないのです」の一節を基にしています)。次に、会堂内の長椅子に腰を下ろして天井を見上げると《白い天井には装飾的に張り出した茶色の木材》が目に入ります。この建築様式は「ハーフティンバー スタイル(梁や柱が外部に露出し、壁面を漆喰などで固める工法)」と呼ばれるものです。さらに、茶色の木材(横木)の端、梁の上部には《つる草の白い飾り》があります。左右の《明り取り~細長いガラス窓》の一部は、現在の会堂建設時~1933年のものです。
※横浜海岸教会礼拝堂の一般公開日:毎月第3金曜日、午前10時~午後3時 どなたでも自由に見学できます。(葬儀など諸事情により中止になる場合があります。その場合は前日にホームページで知らせがあります。因みに、4月19日が公開日です。教会は2015年5月に修復を終えて真っ白な清楚な姿でリニューアルされています。
※年度が変ります。しばらく調査をするために《ブログは休刊》といたします。次の見学会ブログは、『横浜山手丘の上散策』として5月頃を予定しています。