歩こう!!神奈川 【歴史散歩】 (見学会ブログNO13) - 横浜市退職小学校長会

歩こう!!神奈川 【歴史散歩】 (見学会ブログNO13) 

2022/7/10

連載 横浜の「旧東海道の三宿場」戸塚宿・保土ヶ谷宿間の【品濃坂付近】を歩く

◆◆◆ 江戸時代の陸上交通路、旧東海道の連載です。日本橋を起点に西に伸び、京都に至る当時の大動脈は総距離にして約500㎞(約125里)。その間、おおむね8㎞(2里)を目安に、品川~大津に至る五十三の宿場(東海道五十三次)がありました。五十三次の内、横浜市域には神奈川宿(神奈川区) 保土ヶ谷宿(保土ヶ谷区) 戸塚宿(戸塚区)と三宿場がありました。

今回は【品濃坂付近】を歩きました。JR東戸塚駅改札口から東方向の〈西武・オーロラモール〉を抜けて長いエスカレーターに乗って進むと、環状2号線に突き当ります。環2をまたぐ歩道橋を渡り終えると《旧東海道》です。左方向(保土ヶ谷・権太坂方面)に進むと、【品濃の一里塚・焼餅坂・萩原代官屋敷・境木地蔵・投げ込み塚・権太坂下り坂】(ブログNO9,10,11で紹介)へ、右方向に進むと、【現在の東海道1号線・柏尾・不動坂そして大橋を経て戸塚宿】(ブログNO5,6で紹介)へ行くことができます。

さて、【品濃坂】は、歩道橋(前述の)から旧東海道を右折し、およそ250m地点の三叉路付近となります。ここ(写真右上、旧東海道の標識あり)からは「横浜市立平戸小学校校舎」がよく見えます。旧東海道の道筋には「柴田農園(戸塚区平戸町826)」があります。この農園では6月から8月頃にかけて、ブルーベリーの収穫時期となり、土・日曜日は開園して直売は毎日行っています。尚、平戸小学校前を道なりに進み、坂を下った付近にも果樹園があります。岩崎果樹園(平戸町5418)では、梨・葡萄・柿・蜜柑など、三枝木果樹園(平戸町528)では、浜なし・梅・柿・蜜柑などが収穫でき、直売や地方発送に応じてくれます。平戸小学校付近からは天気が良ければ、真正面に富士山・丹沢山塊を望むことができます。この付近の斜面は日当たりも水はけも良く果樹栽培に適している地形です。

【品濃坂】(写真左上、現在の品濃坂・・品濃方面から平戸方面を撮影したもの)は、戸塚平戸町から品濃町までの急坂ですが、現在は環状2号線が遮断し道路を跨ぐ歩道橋も坂の一部となっています。坂の方向は、南西(平戸から品濃方向に)に向って下り坂です。坂の長さはおよそ340m、現在は一部、階段状になっているところもあります。歩道橋の脇には、ごく小さな祠(約1m)のような家型の珍しい標識があります。【品濃坂・解説】には、こんな情報が書き込まれていました。「品濃坂は、朝早く江戸を発ち、日暮れまでには戸塚宿へと向かう旅人には宿場町までもう一歩の所です。一方、江戸方面に向かう旅人にとっては最後の急な登り坂で、この難所を越えれば境木の立場まであと一息でした。海も見えてきて、旅人は江戸への想いを馳せていたのかもしれません。(写真左下は、明治初期頃の品濃坂で、松並木の様子が伺えます。)(写真右下は、武蔵・相模の境とあり境木から品濃・平戸付近と思われる「広重の五十三次名所図会」です。)

➜➜➜ 次号「ブログNO.14に続く」7月25日予定 連載「横浜三宿」神奈川宿に入ります

 

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