歩こう!!神奈川 【歴史散歩】 (見学会ブログNO24) - 横浜市退職小学校長会

歩こう!!神奈川 【歴史散歩】 (見学会ブログNO24) 

2022/11/24

連載『神奈川宿を歩く➈ ~「成仏寺」は宣教師館 ~』 

1枚の画像(上)をご覧ください。これは幕末の頃の【「成仏寺本堂前」に集合した宣教師たちの画像(横浜開港資料館より手に入れた有料資料)】です。次に(下)の写真は、門前から撮影した「今の成仏寺本堂」です。ですから、上は約150年前、下は現在(2022年)となります。この寺の場所は旧東海道の近く、横浜市神奈川区神奈川本町10-10、東神奈川駅より徒歩5分のところです。前号『見学会ブログNO23』で紹介したように、日米修好通商条約締結によって、現在の横浜駅付近から東神奈川にかけて「開港地」となる見込みから、アメリカ(本覚寺)イギリス(浄瀧寺)フランス(慶運寺)オランダ(長延寺跡)の各国は街道沿いの寺を領事館としました。そして、ここ「成仏寺」は宣教師館となり、彼らは日本語の習得や日本文化の理解につとめました。ところで、画像(上)で判明している人物は左手よりS.R.ブラウンと次女ハリエッタ、後方にゴーブル、中央にヘボン、右手よりブラウン長女ジュリア、ブラウン次男ハワードです。開港資料館学芸員によると、他の3名の夫人たちについては、ヘボン夫人クララ、ブラウン夫人エリザベツ、ゴーブル夫人エルザと推定されます。尚、ブラウンの長男は成人して本国にとどまっていたそうです。この寺の「本堂」にはヘボン夫妻が、「庫裏」にはS.R.ブラウン家族が、「庫裏の小部屋」にはゴーブル夫妻が住んだといわれています(ヘボン書簡集)。宣教師本部への報告書には、「広い本堂を襖で仕切り、大小八つばかりの部屋をつくった」とあり、その結果「ずいぶん住みよくなった、広い庭も美しく気に入っている」と、書かれています(ヘボン書簡集) 。最後に、彼らの業績を簡単に触れておきましょう。ヘボンは、医療活動(無料で施療)・辞書編纂・聖書翻訳事業(翻訳作業の中心人物)・教会設立(現・指路教会)、ヘボン夫人クララは、フェリス女学院の礎を築く、ブラウンは官立学校での教育活動・聖書翻訳事業・ブラウン塾創設(後に明治学院となる)、ゴーブルは、平仮名聖書編纂・文書販売活動・教会設立(現・バプテスト横浜教会)などに力を尽くしました。

次号「ブログNO.25に続く」12月10日頃予定 です。

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