歩こう!! 神奈川 【横浜古民家をたずねて】(見学会ブログ連載NO 3)

【横浜市内には10箇所の古民家があります。2025年は古民家をたずねます】
第3回は、《栄区の 本郷ふじやま公園 古民家 写真は全景》です。
横浜市南部、栄区にある「本郷ふじやま公園 古民家」に行ってきました。古民家のある場所は、鎌倉街道(大船から上大岡に向かう鍛冶ヶ谷町あたり)に位置します。かつて「ふじやま」と呼ばれていた広大な敷地内(面積9㌶~東京ドーム約1.9個分には、竹林や雑木林が保全され里山の景観を残しています。公園北側の一角にあるのが古民家ゾーンです。ここには、旧小岩井家※①の主屋〈写真〉、長屋門、管理事務所棟、工作棟、などがあります。主屋の座敷数は計8(上座敷8畳・中座敷6畳・下座敷8畳・八畳間・六畳間・広間12.5畳・囲炉裏付き茶の間12.5畳・納戸)及び土間が配置されています。主屋には大変珍しい《仕掛け~跳ね上げ戸※②》や《式台※③》がありました。
画像の説明:主屋図面の中央部「中座敷と六畳間の間に跳ね上げ戸」「下座敷左手に式台」五月節句飾りのある「広間からの撮影した八畳間と下座敷」「土間から撮影した茶の間(囲炉裏)と六畳間、中座敷」「庭から撮影した式台」・・撮影日5月7日(木)
※「旧小岩井家※①」・・・小岩井家は江戸時代相模国鎌倉郡鍛冶ヶ谷村の名主を長く務めたことで古文書が残されています。主屋は江戸時代後期の1847(弘化4)年に建てられたもので、一般農家には見られない格式高い造りになっています。歴史的価値が高いことから長屋門と合わせて横浜市指定有形文化財(2002年)に指定されました。旧家の小岩井家は江戸後期から末期にかけて世業として薬屋や油家など多角経営をしていました。ペリー来航の際には、沿岸警備の任に当たったことが火縄銃や保存文書などから伺い知ることができます。
※「跳ね上げ戸※②」・・・六畳間と中座敷の間は、跳ね上げ戸という仕掛けがあります。これは、二つの部屋を分けている壁一面が跳ね上がる板戸で、中座敷側は「襖紙」が貼られています。跳ね上げると続き間となり大勢の人たちが集まることができます。市内の古民家では珍しいものです。
※「式台※③」・・・庭側から身分の高い人だけを通すことができる当時の「エントランス」です。言わば、公式の出入口で一般農家には無いものでした。式台を入ると下座敷、中座敷、上座敷と続き、壁は朱色に塗られ客間として使用されていました。
◎アクセス・・・JR大船駅から、上大岡行きバス「鍛冶ヶ谷」下車徒歩3分 JR大船駅から、金沢八景行きバス「中野町」下車徒歩6分
◎休館日と開館時間・・・毎月第一水曜日と年末年始は休館、開館時間は午前9時~午後5時
※次回ブログは、5月25日頃、更新します。