歩こう!! 神奈川 【横浜古民家をたずねて】(見学会ブログ連載NO 4) - 横浜市退職小学校長会

歩こう!! 神奈川 【横浜古民家をたずねて】(見学会ブログ連載NO 4)

2025/5/25

 【横浜市内には10箇所の古民家があります。2025年は古民家をたずねます】

     第4回は、《瀬谷区の 長屋門公園 古民家》です。

  

横浜市西部、瀬谷区にある「長屋門公園 古民家」行ってきました。古民家のある場所は、相鉄線三ツ境駅から徒歩18分、瀬谷区阿久和東1-17番です。公園内には《歴史体験ゾーン》と《自然観察ゾーン》があります。前者《歴史体験ゾーン》には、長屋門※①古民家※②があります。長屋門の建築年代は明治17年といわれ、穀蔵は長屋門より以前に建てられたそうです。門の右側部分は隠居部屋として使われたり、養蚕に利用されたりなど、何回か改造を繰り返してきたそうです。戦後、診療所として利用された外壁が白い漆喰で覆われていましたが、その後再び座敷に戻され今に至っています。穀蔵は、その名の示すように穀物の保存、農機具の収納に用いられたと考えられます。古民家の建物は、元横浜市泉区和泉町2937番に屋敷を構えていた安西家の主屋でしたが、平成2年横浜市に寄贈されました。市緑政局ではこの公園に移築すべく調査・解体工事を行って、平成3年6月復元修理工事に着手して、平成4年6月竣工しました。間取りは解体時は四つでしたが、痕跡調査によって広間型として、幅一間の押板と大型囲炉裏が復元されました。

後者《自然観察ゾーン》は、自然とのふれあいの場として、せせらぎの水辺雑木広場自然観察林があります。せせらぎの水辺は、雨水が地下にしみ込んで谷戸に集まり、湧き出した自然水がせせらぎを作り、かつては水田や製糸に利用されていました。雑木広場には、クヌギやコナラなどが生い茂り、かつては薪や炭の材料として利用されていました。ドングリもたくさん見つかっています。秋には葉も色づく雑木林の中に小さな遊び場もあります。自然観察林には、40種類に上る野鳥がやって来ます。樹林は、虫や鳥たちの住みかとして、また、雨水をため洪水を防ぐ役目も果たしています。

瀬谷・阿久和の風土を今に伝えるこの「長屋門公園」の広さは、3.5㌶(サッカーフィールドは0.7㌶ですから、その5倍程でしょうか)もあるそうです。

※「長屋門※①」・・・自然の素材と人の手に拠る伝統的工法で建てられたこの門は、正面から見て右側に大きな開口部を持つ居住部分、左側には納屋土間、さらに土蔵が続くという珍しい形をしています。

※「古民家※②」・・・安西家の位牌によると元禄8(1695)年から続いて現当主で13,14代を数え、天保期には和泉村名主を勤めていたことが所蔵される「相模国村高控帳」から明らかになっています。当主屋は元は西向きに建てられていましたが、今は南向きとしています。

取材日は、4月23日。

次回のブログ予定は、6月10日です。

◎「令和7年度の予定について」見学会は次の予定で実施いたします。多数の皆様のご参加をお待ちしております。

1回目;【秋の鎌倉を歩く歴史探訪】10月3日(金)9:45~12:15

2回目;【横浜再発見ゆるり散歩】12月5日(金)9:45~12:15

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