歩こう!! 神奈川 【横浜古民家をたずねて】(見学会ブログ連載NO 5) - 横浜市退職小学校長会

歩こう!! 神奈川 【横浜古民家をたずねて】(見学会ブログ連載NO 5)

2025/6/9

【横浜市内に10箇所の古民家があります。2025年は古民家をたずねます】第5回は天王森泉公園古民家です。

 横浜市西部、泉区にある「天王森泉公園 古民家」行ってきました。古民家のある場所は、和泉川沿いに広がる農村風景が残り、豊かな湧水を活かして製糸場が営まれていた場所~天王森泉公園~です。清らかな湧水には現在もホタルが生息して、かつては谷戸に乱舞したと言われています。(実際、取材日直前にはホタル観賞会が行われました)雑木林を主体とした泉公園の広さは、面積約3万8千㎡です。公園内に入るとまず目に入るのが【天王森泉館~写真(上)】です。この建物は、横浜市認定歴史的建造物・旧清水製糸場本館です。

【天王森泉館とは】建物は1911(明治44)年5月、清水一三氏によって興された清水製紙場の本館です。1931(昭和6)年頃に本館左半分が約500m北から現在地に移築され個人住宅として利用されました。1997(平成9)年に公園整備に際して、製糸場本館当時の姿を再現し「天王森泉館」となりました。

〈写真上〉清水製糸場本館の正面。向かって左側が復元部。右側一階は繭選場と食堂、二階は女工宿舎。

〈写真下〉本館後ろに続く工場内部。真ん中通路を挟み二列に並び製糸作業中。

 

【清水製紙場とは】1918(大正7)年に、釜数28を誇り神奈川県下45社中第五の規模の製糸場でした。和泉川沿いには豊富な湧水を活かして20件ほどの製糸場がありました。しかし、大正時代にピークを迎えた製糸産業は、関東大震災(1923年)や大恐慌(1929年)で打撃を受け、ナイロンの開発も重なりその勢いは急速に衰えました。

保存資料によると、1859(安政6)年横浜開港以来、横浜で最大の貿易品は生糸だったそうです。そこで、この中和田村付近でも江戸時代から養蚕が行われていたので、明治20年代から横浜港と結びついて製糸業が盛んになったそうです。市内で一番古いのは中和田村・持田製紙場、清水製糸場など20件があったそうです。生産された生糸は養蚕業の発展と共に開通した「長後街道」など、絹の道「シルクロード」を通って運ばれたそうです。

 

〈写真上〉園内の竹林。

〈写真下〉古民家内の「ホタルの写真」

行き方:①神奈中バス 戸塚駅バスセンターから「終点ドリームハイツ」下車(時間帯によってはバス二両編成のツインライナーあり) 徒歩10分 ②市営地下鉄「下飯田駅」または、相鉄いずみ野線「ゆめが丘駅」より徒歩25分

取材日は、6月6日   次回ブログ更新は、6月25日頃。

◎「令和7年度の予定について」見学会は次の予定で実施いたします。多数の皆様のご参加をお待ちしております。

1回目;【秋の鎌倉を歩く歴史探訪】10月3日(金)9:45~12:15

2回目;【横浜再発見ゆるり散歩】12月5日(金)9:45~12:15

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