渋谷文学散歩ー青空の博物館・資料館巡りー - 横浜市退職小学校長会

渋谷文学散歩ー青空の博物館・資料館巡りー

2024/3/16

3月14日実施の渋谷文学散歩の報告です。横浜から9人、菊名から1人、渋谷で1人、國學院大學で2人と合流し、13人でポカポカ陽気の散歩約8700歩を楽しみました。

國學院大學博物館はバス停の目前に広がりガラス張りの白色学舎と通じています。エントラスで学芸員さんの説明を受けた後自由に見学しました。約11万点の収蔵品のうち神道展示や考古学品展示は日本有数の充実ぶりで博物館マニアには「間近で鑑賞する無料大規模博物館」として有名だそうです。(知りませんでした)

入口左の校史展示コーナーのトップに「折口信夫復元書斎「叢隠居」があります。箱根仙石原の山荘で大きな窓には山の稜線と軒下の風鈴、眺めながらぼうっとできる長い文机と畳敷きの床の間、中央には書き物や筆記用具、紺色の和綴じの本等の置かれた大きな文机がありました。障子の窓から入る光を受けて執筆したり、柳田國男らと談笑したりしたのでしょう。若い学芸員さんは「本の装丁もご自分で納得するまで描きました。「死者の書」もここで書かれたそうです。本原稿や書簡等は左のケースです。どうぞ、皆様何回もお越し下さい。」とどこまでも親切でした。

当麻寺の中将姫伝説を下敷きにした「死者の書」は鮮烈でした。

・・彼の人の眠りは徐かに覚めていった。

・・ああ おれは死んでいる 死んだ。

・・大津皇子をモデルにした主人公の蘇りの文章は忘れられません。

読書とは本を読むだけでは無く、失いたくない言葉を心に積むことでもあります。静かで美しい博物館でした。

昼食は向かいの2階で学食活用。機能的で多彩なメニューを皆で味わいました。

どれだけ豪華にしても上限600円で経済的です。コロッケカレーは500円、スープとサラダ付き、美味しかったです。明るく清潔なレストラン。近ければ毎日通いたいと笑い合いました。

ゆっくり休み、隣の白根記念渋谷区郷土博物館へ移動。残念ながら地下の文学館は改装工事中で閉館でした。

学芸員さんのお話を伺い企画展「渋谷にあった映画館 昭和30年代」から見学めぐり。ナウマンゾウからも愛された渋谷の地の変遷を辿りました。縄文土器の飾りつけコーナーや大正、昭和の民家再現等、実際に触れる工夫がされ、生活科等に活用できます。私たちは懐かしの銀幕スタープロマイドやこの土地を寄贈した白根全忠氏の富裕さへの推測などを楽しみました。

圧巻は、一見地味な塙 保己一史料館です。学芸員の方のお話に引き込まれ、山ほどの質問を出し、盲目の彼の偉業を偲び盛り上がりました。一階に収められた山櫻の版木1万8千5百近くは世界屈指、20×20の文字数は現代の原稿用紙の元となったこと、「群書類従」や渋沢栄一やヘレンケラーのエピソード等に心動いた皆さんからは「ここが一番!」との声。「温故知新」の精神にあふれた世界を実感できたからでしょうか。

國學院大學メデイアセンター内カフェでお茶とお喋りで休憩して散歩を終えました。天気に恵まれ、周囲の方々の心遣いにも恵まれ、仲良く愉快な文学散歩でした。

◊♠♣♥♦◊♠♣♥♦ 読書会広報部 ◊♠♣♥♦◊♠♣♥♦

 

塙保己一画像

 

 

 

 

 

 

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