福井文学旅行報告NO.3ー南越前 武生巡りー楽しい旅でした。
旅の最終日は、ゆっくり9時20分にホテル出発。
ガイドさんの育った武生(たけふ)の「越前そばの里」に向かいました。
夕食でも味わった名物「おろし蕎麦」のそば打ち体験です。
手指の消毒から青手袋、エプロン姿になり、モニターと講師の指導を受け、真面目に頑張りました。
越前そばはそばの実を甘皮まで粉にするため、黒っぽくコシが強いのが特長とのこと。
粉をこねて、丸めて、伸ばして、畳んで、切って、天婦羅付きで実食。
トッピングは、刻みネギと大根おろしと鰹節。
冷やしそばつゆで「頂きまーす」。風味豊かで美味しかったです。
残りはそばつゆ付きのお土産になりました。
人の姿が無い町家の並びに「いわさきちひろ」の生家があります。
案内が無いと気が付かないほど控え目で静かです。
それでも玄関を入ると「ちひろワールド」、つぶらな瞳の子どもたちの絵が淡く、優しく、滲むように迎えてくれました。
以前の文学旅行で安曇野の「ちひろ美術館」に行きました。ラベンダーの香りを覚えています。「ちひろの生まれた家」は2階への階段も狭く、奥の建物も可愛い商家の造りでした。
母の「文江さん」の資料が多いです。
女学校の教師だったのですね。
ちひろの生まれた家
武生の町には「かこ さとし」の生家跡もあります。
「かこさとしふるさと絵本館 石石(らく)」として、地域に開放されています。
川崎で地域活動をしていた頃のまま、故郷でも親子の遊びの場や読み聞かせ活動の施設を造っていたのです。
愛嬌たっぷりのだるまちゃんやからすのパン屋さん、その他4000冊の絵本が子どもたちの目線に合わせた高さに置かれています。
「てんぐちゃん」の持ち物が欲しくて仕方のない「だるまちゃん」が裸足で駆ける場面やからすの夫婦が4羽の子どもたちのアイデアで、色々な形のパンをいっぱい作る絵など懐かしい遊びの施設です。
彼は工学博士でもありましたから科学読み物も充実! 漢字は「加古 里子」で本名は「中島 哲」だと知りました。
そうだったんだ・・。
南越前町河野の海岸にどっしりと北前船船主の館「右近家」があります。
正確には船主の館が4軒どーんと大きい土蔵で海風を防ぎ、屋敷を構えているのですが右近家以外は非公開。
現在の13代目右近家当主は「損保ジャパン興亜」社長です。
東京で暮らしているため、旧本宅や山の中腹の別荘が見学可能になりました。
豪壮な吹き抜けの天井を支える太い柱や梁は船で最高級品を運んできたもの。
「大坂の豪商と組んで日本海五大船主として代々活躍、大儲けしたんですね。」とストレートで分かり易い説明でした。
「別荘造りや海岸通り普請で地元に貢献したり日露戦争旅順港閉塞で持ち船をお国に出したりして10代目権左衛門さんは偉い方だったですよ。広瀬中佐を知ってますか。」と案内して下さった奥座敷には拠出した「福井丸」にレンガを積み旅順港に沈めた功績状や、その中で部下を探して戦死した「広瀬武夫」の記事があります。
先輩が「文部省唱歌があったなあ」と。確かに78回転の小さなレコードが「ーすぎのはいずこ すぎのはいずやー」と歌っていたのを思い出しました。
ここは、築山の庭に臨む飾り棚や表裏違いの欄間飾り、釘隠し等、繊細な座敷造りです。
別荘まで登った方はスイスの山荘風のベランダから見る日本海の素晴らしさを話してくれました。
海岸の北前船模型に上がって最後の集合写真では皆さんニコニコ笑顔です。
変化に富んで面白いことがたくさんの2泊3日の福井文学旅行でした。
来年の旅行が楽しみです。
◊♠♣♥♦◊♠♣♥♦ 読書会広報部より ◊♠♣♥♦◊♠♣♥♦