46回教問研、5名のシンポジストが学校の大きな役割を語る
令和5年11月4日(土)横浜市社会福祉センターホールで、46回教育問題研究協議会(教問研)が開催された。今年で3回目になる「全体会・シンポジウム形式」で行われ、4校種の学校長、会員の5名のシンポジストが、コロナ禍後の学校の現状と課題を熱く語った。小学校は、常盤台小学校長の松本理孝氏が「コロナ後の学校現場の取組」として、子どもたちが相手意識をもった活動の推進を図って行事等の改革の推進をしていることや教職員の働き方改革の推進の事例、「安全・安心な学校づくり」への取組を紹介して、生き生きとした学校経営を図っていることなどを説明。中学校は、蒔田中学校の熊切 隆校長が「夜間学級について」と19名在籍している生徒の状況を説明し、外国につながる生徒の学びの課題、学び直しを目的とした生徒の課題などを語り、生活支援も含めた個に応じた支援の大事さを訴えた。桜丘高等学校長の星野 浩氏は教員志望者が多い桜丘高校生の実態から「教員養成講座(桜ACEプログラムと命名)」を開講し、30名の教員を希望する生徒の要望に応える、生徒の夢に応える取組を始めたという報告があった。また、上菅田特別支援学校長の村山小百合氏は、特別支援学校の変遷や高等特別支援学校の取組、特に障害を抱えて生きづらさを感じてきた生徒が、自分らしく生きていくための学びについて教職員で取り組んでいる姿を語ってくれた。会員のシンポジスト、前仲尾台中学校長の平本正則氏は、「未来を拓く礎『学校教育』」という題で、これからの時代を担う教員の学びを支えるために、教職員自身が自己理解を深めることの大切さを力説。主体的に学び続ける研修が行われている現状、そして横浜市が先導的に取組をし、情報発信することの大事さを語った。これらの問題提起に対し、市教育委員会の寺谷亘主任指導主事は、4校種の多様な学校現場の報告が、いずれも横浜市の学校教育の課題を浮き彫りにしていることや、これから取り組んでいく課題を投げかけてくれたことや、横浜の教育関係者が知恵を絞って取り組んでいることへの感謝等の助言があった。
会場からは学校教育への期待、国の教育政策への要望なども出され、熱心な取組をしていることの感謝の意見もあった。3時間にわたったシンポジウムは、4時30分に閉幕した。