6月文学散歩の報告ー牧水の歩いた道ー
6月23日、燕が低く飛び回る京急長沢駅前に14人が集まりました。
ゆっくり海岸方向に歩いて12分、国道134号線沿いの「長岡半太郎記念館・若山牧水資料館」に到着。
静かだった館内が急に賑やかになり、お喋り、写真、メモ、質問すべてOKの優しい管理人さんです。
牧水は、喜志子夫人の療養のため、ここ長沢に1年余り暮らし、よく海岸を歩き、新鮮な海の幸を
楽しんだそうです。原稿は丸く柔らかな字体、啄木や白秋との書簡、初期の「海の聲」や早稲田の同人誌、
酒と旅の随筆等、宝物がいっぱいでした。絶版物の評論も読みたかったのですが、施錠されています。
ここでの話題の中心は、壁にある切れ長の瞳の女性「園田小枝子」の写真、牧水の恋を「孤悲」の歌に
昇華させたミューズの神に会えました。奥様の写真とは微妙な距離でした。そうか、人妻だったのかあ。
山を見よ山に日は照る 海を見よ海に日は照るいざ唇を君 牧水22歳
貨物船を眺めながら、文学碑や牧水夫妻歌碑を鑑賞。波の音が心地よかったです。
文学碑の歌 海超えて鋸山はかすめども 此処の長浜浪立ちやまず 牧水
夫妻の歌碑 表 しら鳥はかなしからずや そらのあを海の青にもそまずただよふ 牧水
裏 うち煙りのこぎり山も浮かび来と 今日のみちしほふくらみ寄する 喜志子
海の遊歩道からタクシーで久里浜港に行き、握りずしや海鮮丼、フリードリンクで1時間半の豪華ランチを楽しみました。
午後はバスで「ペリー公園」へ。巨大な「ペリー記念碑」や洋館造りの記念館で、二ッ谷小出身の管理人さんと談笑。
幕末の黒船と久里浜の歴史を知りました。サスケハナ号等4隻の黒船は戦闘態勢で入って来たのですね。
「太平のねむりをさます じょうきせん たった四はいで夜も寝られず」 端的に表現した凄い落首でした。
6月の文學散歩も、皆様のあふれる好奇心を満足させた6500歩になりました。海と山と歴史の横須賀は素敵です。
幹事の皆様、有難うございました。ではまた、7月28日の読書会でお会いしましょう。題材は「中野重治詩集」
ー道路を築くために人は砂利を煮るーです。「マクナマス氏行状記」ではありません。お元気で。お暇致します。
紫陽花の 花ぞおもふ 藍ふくむ 濃きむらさきの 花のこひしさ 牧水
◊♠♣♥♦◊♠♣♥♦読書会広報部◊♠♣♥♦◊♠♣♥♦